2008/06/15

ある夜に

お母さんに、また会えるよね?

彼女はそう言うと、僕の胸に顔をうずめて
泣いた。
僕はそれになんて答えたら良いかわからなかった。
もう二度と会えない事がわかっていたからだ。
彼女の肩越しに窓のほうへと目をやると
カーテンの隙間から差し込む月明かりが、床を這って
僕たちのすぐ近くまで来ていた。

僕はなんだかその光が彼女をどこかへ
連れて行ってしまうような気がして、
ただ強く彼女を抱きしめた。